神奈川県高等学校教科研究会 情報部会

3D映像編集、3D撮影の現場を見学

第4回研究会

2011年2月8日 更新

1.日時

平成22年12月27日(月)13時45分〜16時30分 (受付は13時00分より)

2.会場

株式会社IMAGICA 東京映像センター

(〒141-0022 東京都品川区東五反田2-14-1 Tel:03-3280-7500)

3.参加者

高校教員約20名。。

4.内容

テーマ 「3D映像編集、3D撮影の現場を見学」

日本の映像制作や配給の老舗であるIMAGICAさんにおじゃまして制作現場を見せていただいたり、お話を聞かせていただいたりしました。3Dに関しては、日本映画初の3D長編や日本初の3D生中継の技術提供を行った最先端の会社です。

1.3D放送視聴

開始前の待ち時間を利用して、現在CS放送のスカイパーフェクTVで放送されているものをロビーに設置されている3D対応テレビにて視聴しました。

これは液晶シャッターによるメガネをかけて見るもので、テレビ側で右目用と左目用の映像を交互に表示し、それにメガネを同期させて左目と右目の視界を遮るシャッターにより立体視を得る方式のものです。あとの説明によると「フレームシーケンシャル+液晶シャッター方式」といい、現在家庭用としては最も普及している方式で、劇場用ではTOHOシネマズで導入されているものだそうです。

テレビ放送の様子 液晶シャッター付きのメガネ

2.フィルムラボ見学

ここはネガフィルムの現像やポジブィルムの現像や焼き増し、フィルムのチェックや発送までかなり手作業が多く、フィルムそのものを切ったり貼ったりというアナログ的な作業もまだまだ健在のようです。

劇場用のフィルムは1巻およそ15分のため、映画1本では5〜9本セットを2台の映写機を使って上映するそうです。そのフィルムを全数チェックしているとは驚きでした。

3.3Dコンテンツ制作の基礎知識

ここでのポイントは、人間の目が左右で微妙にずれた映像を見ているのを脳内の処理により、物が立体に見えることを押さえておくことです。

それを踏まえて、3D映像を作る側がその微妙なずれを持った左右の映像を「何らかの方法」で撮影し、「何らかの方法」で左右の目に別々に見せることによって3Dとして認識させるということです。

その「何らかの方法」がいろいろと長所・短所があるため今の状況があるのだと思います。原始的な赤青メガネの方式から、左目用と右目用の映像を交互に見せるメガネに仕込まれたシャッターを作動させて見る方式----シャッターの違いにより何種類かあり、マイカル、TOHOシネマズ、東映、それぞれ別の方式----、偏光された2種類の映像を同時に見せ偏光メガネ(シャッターはない)で見る方式----川崎109----などがあるようです。

メガネなしの方式もあるにはあり、つい最近発売されたテレビはまだ画面サイズが小さく、1人か2人で見るのが限界のようです。細かいレンズにより左右の目に別々に映像を見せることになるので、どうしても解像度が落ちてしまい、メガネなしで大勢で見ることができる巨大な劇場用の3D技術は向こう20年はムリだろうとの話もあるそうです。

実際の制作上の留意点として、左右の映像にズレがあったり極端な飛び出し感があったりすると目や脳に悪影響があることや、動きが早いと立体に見えにくいのでフレーム切り替えは長めにしなければならないこと、色によって前進色や後退色があるため配色にも気を使うこと、同じ映像でも画面サイズによって立体感に差がでること、その他さまざまなことに留意して制作されているそうです。

説明を受けている様子1 懐かしの赤青メガネ 説明を受けている様子1

4.3Dデモ映像上映

液晶シャッターつきのメガネをかけて見る方式のデモ映像を見ました。実写の人物とCGを組み合わせた2〜3分の映像でしたが、とても素晴らしいものでした。

まだ少々メガネが重い感じを受けました。いろいろな面で発展が見込まれる分野なのだと思います。

5.参加者アンケートより

▼どろくさい作業(?)の部分からハイテク分野まで参考になりました。現場のプロに聞くことができ、非常に有意義で楽しいものでした。▼動画に興味があったので、とてもよかった。▼参考になりました。▼とても良かったです。▼現場で本物を見ることができ、大変良かった。▼非常に興味深い内容で楽しく参加できました。ありがとうございました。▼興味深かったです。▼とても勉強になりました。現場を見れて良かったです。思っていた以上の制作過程でびっくりしました。▼貴重な機会を教えていただきありがとうございました。3Dについて体系的に学べました。▼3Dのこと、映像のことがよくわかってよかった。プロの現場とプロの方の話が聞けてよかった。▼とてもおもしろかったです。▼3D映像制作現場について詳しく理解できる内容でした。楽しく充実した研究会でした。▼充実していました。イマジカは映像制作会社と思っていましたが、現像、デジタル化などフィルム事業が健在なのに驚きました。▼3Dについて理解を深めた。もっと勉強しなければと強く思った。特に3Dの原理は自分が知っていた原理よりももっとわかりやすい解説だった。▼見る側への配慮や効果が想像を絶するきめ細かさで作られていることに驚きました。


貴重なご意見ありがとうございました。
今後の参考にしていきます。

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